レオ

震災後しばらく石巻保健所は機能していませんでした。町をさまよっていた秋田犬は大崎保健所に送られました。保健所も混んできて、譲渡対象となったこの犬を引き取りました。
 ボランティアさん宅に預かり、ホームページに載せると、飼い主の息子さんから連絡がありました。ご両親は津波で亡くなったそうです。この犬『レオ』も門脇の家から流されて、どうやって生き延びたのか…。「親の形見」と喜んだ息子さんでしたが、アパート住まいで飼うのは無理でした。このままボランティアのおじさん宅に預かってもらうことにしました。
 こうして身元が判っても帰れない被災動物もたくさんいます。問題は《責任と分担》です。レオを預かるにあたっては食費・医療費の実費の支払いをお願いしましたが、滞っています。時間と共に自覚が薄らいで、感謝が言い訳になっても…レオは新しい家族と生きています。