『豊嶋十兵衛ちゃん』
投稿日:
震災後、家が流された場所に飼い猫を残し、エサを届けに通っているオバサンを見かけました。食べた後も猫は足にスリスリ甘えて、離れません。オバサンが自転車を動かそうとすると、カゴにポンと飛び乗りました。オバサンが困り顔でカゴから降ろし、自転車を出そうとすると、猫はまた飛び乗ります。その繰り返しを3回見守ってから、「一緒に連れて行って欲しいんですよ」と声を掛けました。
泣きそうな顔をしてオバサンが「仮設だから飼えないの」と言うから「仮設はペット可ですよ」と言ったのですが、「迷惑になるから…」頑なな態度は変わりませんでした。猫が可哀想になり、その場で引き取ってしました。
その後、猫は、浜の家が被災して仮設で暮らす若いご夫婦にもらわれて、『十兵衛』と名付けられました。
奥さんから近況報告のメールがきました。
「今ではおっとりとして、外を眺めるのが大好き、マイペースな十兵衛さん」になったそうです。


